第185回お寺めぐり『裾野の閑静なお寺に飯尾宗祇法師の足跡を訪ねる』

令和2年2月8日(土)  裾野 定輪寺(曹洞宗)

12時30分、楽寿園に集合し、三島駅からバスで裾野に向かう。

定輪寺に向かう前に、まず、佐野原神社に立ち寄った。

佐野原神社は、藤原定家の玄孫である二条為冬卿を祭神とする、沢山の木々に囲まれた神社だった。参道には、為冬卿の和歌が書かれた札があり、若くして佐野原の地で命を落とした為冬卿の無念な気持ちが伝わってきた。

拝殿の北側には将軍塚があり、地元の人々が個人を悼む心、崇敬する気持ちが伝わって感慨深かった。

説明をしていただいた中に『三猿の話』があり、何処にあるのか教えていただいたら、境内の南側の端に庚申塔があり、その下の部分に三猿が彫られていた。やっとみつけて嬉しかった。歴史の流れを思い、神仏習合を感じた。

定輪寺への道は自然が一杯で、のどかな様子に心が和んだ。歩きながら馬頭観音の刻まれた石碑や、様々な石仏があることを教えていただいた。これらの発見や会員の皆様との語らいもお寺めぐりの楽しみの一つだと思っている。

黄瀬川を越えて右に曲がって行くと定輪寺が目に入った。

見事な門と迫力のある仁王像があり、気持ちが引き締まった。

807年弘法大師により開創され、912年(延喜12年)桃園山定輪寺と名付けられた真言宗の寺であったが、1440年(永享12年)曹洞宗に改宗された名刹である。

境内に入ると一面の熱海桜が迎えてくれ、一足早いお花見もできて嬉しかった。

飯尾宗祇ゆかりのお寺で、和歌を受けての連歌をたくさん作られたのかと昔が偲ばれ、遺言に基づいてこの地に埋葬された事を推察できた。

本堂には、たくさんの仏像が安置されていた。御本尊の釈迦如来坐像は、人々を救ってくれるような優しさを感じる事ができ、思わず合掌してしまった。十一面観世音菩薩坐像は寄木造りで、腹前で禅定印を結んでいて、拝観して背筋が伸びてしまった。

御住職のお話から、有難い気持ち、感謝しているという言葉が人間として一番大切であると感じて、心が温かくなった。御住職のお話を拝聴できたことが本当にありがたかった。また、御朱印を頂けて本当に嬉しく、大切にしようと思った。

裾野の寺社を参拝することができ、歴史は繋がっていると実感した。

Y.Mさん

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